中国文化・漢文学の研究とそれに基づく教育への寄与を目指す学術団体

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中国文化学会

ご挨拶

 

 小松建男前会長の後を引き継いで、2023・2024年度の会長を拝命いたしました菅野智明と申します。微力ながら、皆様のご支援を賜りつつ、本学会の発展に向けて邁進してゆく所存です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 本学会は、「中国文化・漢文学の研究とそれに基づく教育への寄与を目的」とした学術団体で、前身の東京文理科大学漢文学会の創立から90年を超える歴史があります。また、1997年に中国文化学会と改称してからは日本学術会議に加盟し、全国に開かれた組織となりました。学会の機関誌『中国文化―研究と教育―』も、2022年に80号の発行という節目を迎えました。

 こうした伝統のもと、本学会は現在に至るまで中国文化・漢文学に関する様々な研究領域、例えば中国の哲学・思想、文学、言語学、芸術、日本の漢文学(日本漢学)といった各方面において、それぞれ成果をあげております。それとともに、これら多岐にわたる領域について、会員同士が相互に議論し合う横断性も尊重してまいりました。加えて、高等学校を中心とした漢文教育についても研究の柱に据えるのが、本学会の大きな特色です。

 さて、中国文化に対する学術的研究は、世界的な地平で進展を遂げております。本国がその先端にあることは勿論ですが、日本をはじめとするアジア各国の他、欧米から発信される成果も少なくありません。このようなグローバル化にあって、隣国日本での研究は、長らく中国文化の影響を受け、自国に漢学の学統を築き上げた来し方から、独自の視点や問題の提起が期待されるところです。本学会も、これまで培ってきた多様性や横断性を踏まえ、広い視野から研究に取り組みたいと考えております。

 このホームページでは、本学会が発行する機関誌での研究成果をはじめとして、学会活動に関する基本的な情報を公開しております。会員はもとより、中国文化に興味を持つ方に広く本学会の活動をご理解いただくのが目的です。もっとも、ここでの成果は、直ちに目に見える形で社会還元に結び付くものとは限りません。しかしながら、それらには私たちの生き方を問い直す何がしかのヒントが潜在するように思われます。この点も含め、本学会へのご理解とご支援を重ねてお願い申し上げ、ご挨拶といたします。

 

中国文化学会会長 菅野 智明